2015年度から10kw未満の余剰買取制度は、地域によって異なる2種類の買取単価が適用されるようになりました。
その2種類の違いと言うのは、パワーコンディショナー(発電された電気を家庭で使用できるように変換する機器)の発電量を制御する、「出力制御対応機器」を設置するかどうかで買取価格が決定します。
東京電力、中部電力、関西電力の管轄地域では、出力制御対応機器の設置は義務化されていないため、通常ですと、出力制御対応機器未設置の買取価格、1kw33円が適用されます。
その反対に、北海道、東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄の管轄地域の電力では、2015年度から出力制御対応機器の設置が義務化されましたので、1kw35円の買取価格となります。
数字だけ見ますと、出力制御対応機器を設置した方が、1kw当たりの買取価格が上がりますので一見お得のように感じますが、以下に出力制御対応機器についてご説明します。
買取価格の35円が適用される地域においては、「出力制御対応装置」と言うものの使用が義務付けられています。
これはその地域に連系された太陽光発電設備の出力が、需要を上回った際などに、出力抑制を自動で適用する(つまり売電できないようにする)機器の導入を義務付けたものです。
パワーコンディショナーに同機能を搭載したものを使用するか、制御機器を追加する必要がある為、初期費用が若干上がる可能性があることと、売電できない時間が生じることを前提に、他地域より高い売電価格が設定されたということです。
2015年度の10kw以上の全量買取制度の買取金額は、設置時期により買取価格が変化します。
太陽光発電を設置後、電力会社との契約終結時期が2015年4月~6月のうちですと、買取価格は1kw当たり29円(税別)、それ以降の2015年7月になりますと買取価格は27円(税別)と、若干の値下がりが起こります。
但し、10kw未満の買取期間が10年間なのに対し、こちらの全量買取制度は、買取期間が20年間固定と長く購入し続けてもらえるので、10kw未満と比べて売電収入が増えることも予想できます。
しかしながら、一方で全くデメリットがないというわけではありません。
2014年末時点で、10kw以上の太陽光発電システムの電力買取を中止又は保留する、と発表した電力会社があり、北海道電力、東北電力、関西電力(和歌山県、奈良県、三重県、淡路島の一部地域のみ)、九州電力は、期限を付けた無補償の出力抑制に従うことを条件とし、電力の買取を行っています。また、四国電力については、2014年末時点で10kw以上の電力買取を保留としています。
再生可能エネルギーの普及と題して始まった固定価格買取制度ですが、買取保証期間が終了した後の買取方法については、制度の対象外となりますので、先を検討した計画が必要になるかと思われます。